こんにちは、元介護職員、在宅でお仕事しているゆるふわです！
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笑顔の可愛い施設のアイドルおばあちゃん
私が特別養護老人ホームで介護のお仕事をしていた時の入居者様
のりこちゃん（仮名）の話をします。
のりこちゃんは、とても小柄で可愛いおばあちゃんでした。
のりこちゃんは、いつも穏やかで、ゆっくりと私たち介護員を
自分の順番まで待っていてくださるありがたい入居者様でした。
認知症ではないので、会話が出来たし、職員を気遣い、
自己中心的な行動はまったくありませんでした。
のりこちゃんは、笑顔も可愛いし施設のアイドル的なおばあちゃんでした。
異変のはじまりは「嘔吐」から
のりこちゃんは、いつもご自身でゆっくり食事をされていました。
そして、順番が最後になるので、リビングダイニングにてテレビを
見ながら、待っていてくれます。
その日も、いつものように
「いつも待ってくれて、ありがとう、お部屋に戻りましょう」
と車いすを押して、口腔ケアのため 戻りました。
そして、口腔ケア後、パジャマに着替えようとしたところ
もどしそうな予兆があり、とっさに近くにあったゴミ箱を前に
持ってきたと同時に嘔吐されました。
ナイスキャッチと安堵すると同時に
ゴミ箱の3/1位 嘔吐量があったので
これは 悪い方への はじまりか・・・
思った出来事でした。
すでに看護師が退勤の時間を過ぎていたので
拘束医務に連絡し、支持を仰ぐと
様子をみるようにとのこと。
本人も出したら楽になったようで、その日は
お休みになり、しばらくは何もなかったように
過ぎていきました。
のりこちゃんの行動の変化
のりこちゃんは、その2週間後、嘔吐したと申し送られました。
次第に嘔吐の回数が増えてきました。
嘔吐は、体力を奪います。
のりこちゃん自身が、食事をあまり摂らないようになってきました。
食べたいけど、食べるともどすからと。
そして、私たち介護員に迷惑がかかると
のりこちゃんの性格上、そうきたかと思いました。
「気にしなくていいんだよ、食べていいよ」
と言っても、もどして体がしんどいのは、のりこちゃんなので
老いとともに、食べ物をからだが受けつけなくなっているのだろう
食べることが、好きだったのりこちゃんが衰弱していくのは
目に見えて、はやかったです。
私にできることはなんだろう？
のりこちゃんは、意識がはっきりしているので、
毎日どうでもいいことを話をしては、のりこちゃんを笑かすことが
日課になっていました。
看護師側は、食べさせろというが、本人の意思がある人なのに
私には、できませんでした。
どちらも正しいのです。
食べなければ、死んでしまう。
本人が、いらないというのに、嘔吐したらしんどいのに
これ以上、何を無理させる必要があるのかと
私は、もし施設から何か言われても
本人（のりこちゃん）の意思を尊重しよう、貫こう
寄り添おうと途中で決めました。
なので、そこからは看護師さんたちの声は、気にならなくなりました。
最後の日
私は、遅番でお仕事をしていました。
特浴は、寝ているだけでお風呂に入れる優れものではありますが
入浴はからだに負担がかかるものでもあります。
のりこちゃんは、お風呂も大好きなので、入浴しました。
その日の夕食時、のりこちゃんの大好きなヨーグルトをみせながら
「ヨーグルト、食べる？」と聞くと
「食べる」
あんなに食べない言ってたのりこちゃんが食べるって
私はとてもうれしくなり、小さく1口入れて青ざめるのです。
そう、のりこちゃんは舌の上においたヨーグルトを自力で
飲み込めなくなっていました。
あわてて、スポンジでヨーグルトをかきだしました。
のりこちゃんは、笑っていました。
そして、その日の勤務は、そのまま終わったのです。
その日の夜に逝ってしまいました
夜勤者が出勤、のりこちゃんのことが気になることを伝えて帰宅する。
深夜にのりこちゃんの訃報が連絡来ました。
あ～、やっぱり逝ってしまわれたか。
のりこちゃんの死は、悲しかったけど
私にできることを精一杯やって退勤していたので
後悔は、ありませんでした。
大好きなお風呂に入れ、好きなヨーグルトをほんのちょっぴり味わい
逝ってしまいました。
最後の日も、私はのりこちゃんの笑顔を見ています。
そうです。自分で決断して決めたことを
最後までやりきったので後悔はなしです。
今日も、読んでいただき、ありがとうございました。
元介護職員、在宅でお仕事しているゆるふわでした。
次回に続きます。
